mimi,jean,petite capi et mon chapeau*パリの日々 2000年からのFrance生活&帽子製作日記。http://www.mimi-miyuki.webs.com/

-Mains en prière- Albrecht Dürer -祈りの手-

Le01 Novembre 2013...


わたしは、絵や音楽などは単に見たり聴いたりだけせずに、興味のあるものは、その背景を探る癖があります。特に音楽は歌詞の訳し方で大きく変わるし、歌詞の裏には必ず、その時代の背景や、想いが募っています。それを知ると作品がもっと深くなって愛着が湧きます。


-Mains en prière- Albrecht Dürer

アルブレヒト・デューラー 「祈りの手」…ドイツの画家、版画家のアルブレヒト・デューラー氏の描いた「祈りの手」という作品を見たことがありますか。
人の為に祈った世界で一番美しい手…この絵の誕生には、こんな事実がありました。

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500年ほど前、ドイツのニュールンベルグの町に「デューラー」と「ハンス」という若者がいました。
2人とも子沢山の貧しい家に生まれ、小さな時から画家になりたいという夢を持っていました。
2人は版画を彫る親方の元で見習いとして働いていましたが、毎日忙しいだけで絵の勉強ができません。
思いきって、そこをやめて絵の勉強に専念したいと思いましたが、絵の具やキャンバスを買うお金もままならないほど貧しく、働かずに勉強できるほど余裕はありませんでした。

ある時、ハンスがデューラーに1つのことを提案しました。「このままでは2人とも画家になる夢を捨てなくてはいけない。僕にいい考えがある。2人が一緒に勉強はできないので、1人ずつ交代で勉強しよう。1人が働いてもう1人のためにお金を稼いで助けるんだ。そして1人の勉強が終わったら、今度は別の1人が勉強できるから、もう1人は働いてそれを助けるのだ。」

どちらが先に勉強するのか、2人は譲り合いました。
「デューラー、君が先に勉強してほしい。君の方が僕より絵がうまいから、きっと早く勉強が済むと思う。」
ハンスの言葉に感謝して、デューラーはベネチアへ絵の勉強に行きました。彼は、「1日でも早く勉強を終えてハンスと代わりたい」と、寝る時間も惜しんで絵の勉強をしました。
一方残ったハンスは、お金がたくさん稼げる鉄工所に勤め、デューラーの為に早朝から深夜まで重いハンマーを振り上げ、倒れそうになるまで働き、送金しました。
1年、2年と年月は過ぎていきましたが、デューラーの勉強は終わりません。勉強すればするほど深く勉強したくなるからです。

ハンスは「自分がよいと思うまでしっかり勉強するように」との手紙を書き、デューラーに送金し続けました。
数年後ようやくデューラーはベネチアでも高評判を受けるようになったので、ハンスが勉強する番だと、故郷に戻ることにしました。

2人は再会を手を取り合って喜びましが、デューラーはハンスの手を握りしめたまま呆然とし泣きました。
ハンスの両手は長い間の力仕事でごつごつになり、絵筆がもてない手に変わってしまっていたのでした。
「僕のためにこんな手になってしまって」と言ってデューラーはただ頭を垂れるばかりでした。

自分の成功が友達の犠牲の上に成り立っていた。彼の夢を奪い、僕の夢が叶った。その罪悪感に襲われる日々を過ごしていたデューラーは、「何か僕に出来ることはないだろうか。少しでも彼に償いをしたい」という気持ちになり、もう一度、ハンスの家を訪ねました。応答は無かったものの、小さな声が部屋の中から聞こえてきました。中に入ると、ハンスが静かに祈りを捧げている姿が目に入りました。
ハンスは歪んでしまった手を合わせ、一心に祈っていたのです。
「デューラーは私のことで傷つき、苦しんでいます。自分を責めています。神さま、どうかデューラーがこれ以上苦しむことがありませんように。そして、私が果たせなかった夢も、彼が叶えてくれますように。あなたのお守りと祝福が、いつもデューラーと共にありますように」
デューラーの成功を妬み恨んでいるに違いないと思っていたハンスが妬み恨むどころか、自分のことよりデューラーのことを一生懸命祈ってくれていたのです。
ハンスの祈りを静かに聞いていたデューラーは、祈りが終わった後、彼に懇願しました。
「お願いだ。君の手を描かせてくれ。君のこの手で僕は生かされたんだ。君のこの手の祈りで僕は生かされているんだ。」…そう、この時の絵が「祈りの手」です。

Capiちゃんのことで大変な時に、仲良しのお友達や会った事のないお友達までもが、優しく声を掛けてくれました。
人の為に自分を犠牲にして何かをする…なかなか出来ないけれど、わたし、いつも思うんです。
ハンスまではいかなくても、自分の時間の10分でも1分でも、その人の為に時間を割く…「大丈夫?」「頑張ってね」などの短い言葉を送るだけでも、それが人としての温かさじゃないかと。




































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by mimijean | 2013-11-01 08:12 | monologue